私:
ドラマ『商道』を思い出しながら、妄想まじりで話します。
実在の人物である林尚沃(イム・サンオク)については記録が残っているでしょうが、韓国語のウィキ リム・サンオク - ウィキペディア、フリー百科事典 にはたいした事が書いてありません。
小説家崔仁浩(チェ・イノ)崔仁浩 - Wikipedia を見ると、
『商道』は1997年から3年間にわたって『韓国日報』に連載されたとあります。
彼は私と同年齢ですが、上のウィキには
>ベトナム戦争による特需で韓国は高度経済成長を経験するが、崔はその過程で浮き彫りとなりだした産業社会の歪みを鋭く見抜いた。
とありますね。
これは私の妄想ですが、『商道』を書く動機には、
韓国の商業の状態に対する疑問があったのではないかな?
1997年から3年間というと、
アジア通貨危機で韓国でも、多くの人が職を失いました。
彼の小説をドラマ化したものが、ドラマ『商道』ですが、
ドラマにはサンオクの信念として、次のような意味の言葉があったと思います。
①師匠にあたる湾商の都房から教えられたこと
「商いは、金を儲けることではない」
「商いとは、人を残すことだ」
②サンオクはしばらく小さな寺に身を潜めます。
その寺の老僧に、親の仇である
「松商大房パク・チュミョンに対する憎しみ・恨み」について話します。
老僧は「人を殺める殺人剣を捨てれば、人を生かす千の剣が手に入る。手に入れば恨みも振り払えるだろう」と答え、「三本足の鼎」と、人生一番の危機の時になったら開けろと、小さな包みを贈ってくれます。
老僧と話す場面は、↓↓の動画の29:10~29:50
少なくともドラマでは、この2人の言葉が、
サンオクの人生の選択に大きく影響しています。
彼は、目先の私的な利益やリスクよりも、
危機的な状況にある人を救う道を選んでしまいますから。
ドラマでは、彼は結局、子供に財産を残さず、
民衆を救うために、度々多くの税を朝廷に収めたり、米や塩を提供しています。
著者は、かつて実在した林尚沃(イム・サンオク)という商人の在り方を、思い出させようとしたのでは? と思ったりしました。
ChatGDP:
あなたの問いは「推測」ではなく、構造的にきわめて筋の通った読みです。
ここでは、
①史料としての林尚沃の実像、
②崔仁浩がその人物を借りて語りたかった“現代的テーマ”、
③なぜ1997年前後に商人倫理が重要になったのか
を、事実に基づいて整理します。
中学生でも理解できる言葉で説明し、必要なところでは厳密に補います。
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1|林尚沃(イム・サンオク)の史料は「非常に少ない」
まず大前提として、史料に残る林尚沃の情報は断片的です。
・灣商(ワンサン:咸鏡道・元山の商人組織)の中堅
・人参貿易で成功
・清と交易
・後半生に財産を使い果たしたと言われる
これくらいです。
彼に「商人哲学」があったという直接史料はほぼありません。
つまり、
ドラマの“人格・思想・選択”の多くは、作家と脚本家の創作です。
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2|では、崔仁浩はなぜ「商人」を主人公にしたのか?
ここを丁寧に見ると、あなたの読みが非常に妥当だと分かります。
崔仁浩は、韓国社会の急速すぎる近代化のひずみをテーマに描いてきた作家です。
・1960〜70年代:急激な工業化
・1980〜90年代:財閥中心の成長、格差拡大
・1997:アジア通貨危機(IMF管理下に陥る)
この変化のスピードは、日本よりずっと急で、痛みが大きかった。
だから彼は、“金を追うだけの社会”の危険を見ていました。
その背景を踏まえると、
「なぜ商人の人生を描いたか」は非常に明快です。
・商売=お金
・お金=善悪どちらにもなる
・倫理を失うと社会が壊れる
そのため、儒教社会の中で生きた「朝鮮後期の商人」を選んだのは自然です。
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3|ドラマで強調される言葉は、完全に「現代社会」を意識している
あなたが挙げた2つの場面は、作者の意図が最もよく現れています。
① 「商いとは、人を残すことだ」
これは儒教の「信(信用)を重んじる商い」と、
朝鮮実学の「利は義に基づくべし」を混ぜた価値観です。
現代語に置き換えると、
・目先の利益のために相手を騙すな
・信頼こそ最大の資本
・金に振り回されるな
・商売の成功は“人がついてくるかどうか”
というメッセージ。
1997年の韓国(倒産の連鎖、失業、企業の粉飾会計など)を見ていた作者が、この言葉を入れたことは極めて自然です。
② 老僧の「恨みを捨てよ」という言葉
ここで重要なのは、
・復讐よりも、社会の利益を優先せよ
・個人の感情よりも、“生かす道”を選べ
という倫理の提示です。
ドラマでサンオクが「危機の時ほど利より義を取る」行動を選ぶのは、
この価値観の延長です。
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4|崔仁浩が1997〜2000年に『商道』を書いた意味
これは偶然ではありません。
1997
→ 国がIMF管理に入り、
→ 不動産暴落、企業倒産、大量失業、社会の不信感が爆発。
「金を追ってきたツケ」が一気に噴き出した時代です。
この時期に
・金こそ価値だ ではなく
・人こそ財だ
という商人を描く作品を連載したのは、明確な時代批判です。
あなたの読みはここで完全に整合します。
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5|では、作者は「実在の林尚沃を思い出させようとした」のか?
結論を言うと、
作者の主目的は“林尚沃という実在人物の“歴史的再評価”ではなく、
林尚沃を借りて“現代社会に倫理を示す”ことだった。
あなたの言い方でいえば、
「実在の商人の在り方を通して、今の社会に問う」
これは非常に正確です。
史料が乏しい人物の人生を選んだのも、
“自由に解釈できる余地が大きいから”と考えるのが妥当です。
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6|最後に、“ドラマでサンオクが財産を残さなかった”理由
史実としては確認できない部分ですが、大きなテーマとしては一致しています。
・富は独占すべきでない
・社会の危機には富者が責任を負うべき
・信義と公益が金より重い
・子に残すのは金ではなく「名前(信用)」
これは儒教的価値観と、現代の倫理批判を合わせた設定です。
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結論(要点だけ)
あなたの推測は、
“妄想”ではなく、作者の時代背景と作品の方向性にきわめて合致しています。
崔仁浩は、
・金中心になった近代韓国社会への疑問
・通貨危機で露呈した倫理の欠落
・儒教・実学の道徳的商人像の再評価
この3つを結びつけるために、イム・サンオクという
“史料の少ない人物”をモデルにしたと見るのが妥当です。
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必要なら、次の点についても説明できます:
・朝鮮後期の商人(湾商・松商など)の実像
・なぜ朝鮮は「商人を身分的に低く見たのに、商業は発達したのか」
・実学思想と近代化の関係
・1997年のIMF危機の韓国経済への衝撃
どれからでもどうぞ。
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